農業の場合、資金需要の多寡が生産品目に応じて大きく異なってきます。

それ故に、生産品目の特徴を理解し、各農業者の実態に合った資金需要の理解を深めることは重要なのです。

 

農業を営むうえでは、種、苗、乳用牛、採卵鶏などの主材料費もかかりますし、トラクターやコンバインなどの機械購入費用もかかってきます。その他にも資材の購入、運送費などもかかります。運転資金だってかかってきます。ハウスなどの施設にもお金がかかります。さらには、昨今のICT化によってより高度な投資も選択可能になっている分だけ資金をかけたくなることもあるでしょう。

 

これ以外にも、酪農の場合も資金需要が高いと言えます。

なぜならば、食肉の場合は素牛から育てて売られるまで時間がかかるからお金が要るのです。繁殖する場合も繁殖期間にわたって運転資金を手当てしておかなければなりません。

同じ牛でも、乳用牛の場合には、生物(固定資産)として中期的に活用し続けるため先行投資をして製品が売れるまでの運転資金も必要になるのです。

 

このような生産品目の特徴によって資金が多く必要なものもありますが、そもそも大規模化を図る場合には設備や施設を取得するための費用がどうしてもかかってしまいます。

 

私が公認会計士として、農業に従事する皆様に推奨していきたいのは、継続的な帳簿記録です!小規模零細農家の場合には、最低限の帳簿記録しか残っていない場合が実務上は多いのですが、それだと運転資金融資やABLによる資金調達などが取り扱われにくくなってしまいます。

保全措置や帳簿の継続記録は、しっかりやっておくことをオススメします。